CREDO
5つの行動指針
【圧倒的にクライアントファースト】
となると相手の課題解決はどこにあるのかを明確にしないといけない。
相手の口に出た言葉だけで他人を理解することはできない。自分が相手の立場になったと仮定して、相手の状況を見回し、なぜ相手がそのような発言をし、考えているのかを理解しないといけない。それが「相手に感情移入する」ということになる。
クライアントが僕らに期待している役割を理解し、それに基づいて組織の中で今自分がすべきことを常に考え、懸命に努力することが大切になる。
そのためにはどうするか?
まずはクライアントの心情に感情移入し、相手の考えや悩みを理解しなくてはいけない。
そして相手が本当に望んでいる状態を鮮明にとらえ、その状態を実現するプロセスを設計する。そのうえで、自分の判断を相手におしつけるのではなく、相手のために課題を整理して、丁寧に解説する。その結果、相手が理解、納得すれば、相手は感動し、その行動を継続する。
また、クライアントの背景を考慮し、受け入れやすいような表現でこちらの意見を伝える必要もある。受け入れやすい工夫は相手によって異なるため、相手の立場、価値観を理解したうえで伝え方を工夫する。これら一連の活動がコンサルタントであり、クライアントファーストを貫く、ということになる。
ただし、クライアントファーストと迎合は明らかに違う。
クライアントの利益につながると確信して行動することがクライアントファーストであり、クライアントの利益につながらないものであれば、クライアントのニーズであっても明確に「ノー」と言うべき。
迎合とはそのようなことを考えず、クライアントに言われるがままに対応すること。
だとしたら、クライアントの望むべき状態を鮮明にし、それらの背景を理解し、それが実現できる対策を検討し、伝える必要がある。
さらに良い状態、良い対策があるならば、迎合することを良しとしてはならない。
「それはクライアントのためになっているか?」を常に自問自答すべき。
こうしてクライアントを理解し、こちらの考えも理解してもらう絶え間ないコミュニケーションの結果、クライアントと共に望むべき状態の実現に向けて共に進むことができる。
「それはクライアントの課題解決につながるソリューションになっているか」「そのためには世の中のトレンド、テクノロジーを取捨選択し、徹底的に論理的に科学しているか」「クライアントの利益と自社の利益が相反した場合は、明確にクライアントの利益を優先すると言えるかどうか」
いわゆる巷にあふれている「えせコンサルタント」と明確に一線を画すところはここにある。本質的に軸足がクライアントサイドに向いているかどうか。
それこそがパートナーであり、本物のコンサルタントでもある。ゆえにクライアントファーストにもつながっていく。
「CS-Cのおかげで助かった。CS-Cに出会えて本当によかった」と言われ、感謝される回数がコンサルタントとしての仕事の価値であり、クライアントファーストを貫く結果としての対価でもある。
また、CS-Cはクライアントファーストの軸に則り、クライアントの課題を解決する事業を創造し続ける。それは最新のテクノロジーや流行の技術を生かした事業である必要はなく、その事業がクライアントの課題解決につながるかどうか、その1点のみで判断する、ということも明記しておく。
【GIVE&GIVE】
今のCS-Cがあるのは、今の自分たちがあるのは、他者から受けた力添えのおかげであることに気づき、心から感謝する気持ちから生まれる。
今の自分ではとてもなしえない理想を掲げ、
挑戦をすればするほど、自分の無力さに気づく。
そんな時にまわりの方々がどれだけ自分に力添えをしてくれているかがはっきりとみえてくるようになる。
そして感謝の気持ちが強くなる。
自分ができることなどはたかがしれている。
今の自分があるのはまわりの力添えがあったからこそ。
この気持ちがあればあるほど、他者に対し、何かのカタチで報いなければならないという気持ちが生まれ、それが他者に対する献身的な行動としてあらわれてくる。
ゆえにギブをしたくなる。
「恩返し」という言葉があるけど、何かをお返しするならば1の恩に2倍ぐらいの恩返しをしていると自覚するぐらいの度合いがちょうどいい。
それでちょうど1対1ぐらいだと思う。
自分は感謝の気持ちが生まれない、ということは、自分は感謝の気持ちが生まれない程度のことしかしていない、と思ったほうがいい。
決してそうではない。
因果応報という言葉がある通り、
良いことをしたら、良いことが起きる
悪いことをしたら、悪いことが起きる
これは世の中の真理だと思う。
ゆえに、良いことが起きてほしい、何かをやってもらいたい、のであればまずは何かを提供すべき、という考えにいきつく。
また、いくらギブしてもテイクがない場合も出てくると思う。
それでも10年、20年、30年といった長い目でみたらバランスがとれている。
そして、「与えるが求めない」という精神こそが最も尊い考えだと思う。
それこそが利他の精神。
生涯を通して挑戦すべきほどとても難しいテーマだけど、是非そこに挑戦していきたい。
【集合天才】
しかし「個人の経験を全体のものとし、全体の経験を個人に結集する」というやり方であれば天才以上のことも成し遂げられる。凡人が集まって、天才でなければできないことを実現することが集合天才の概念。100人のメンバーがいれば、自分は100人分の経験と、100人分の知識を持つことができる。
そのためにはどうするか?
自分の成功体験、失敗体験を共有することによりメンバーに疑似体験してもらう
自分の持ち得る知識、見識、ノウハウを共有、伝播しやすいように整理し、まとめる
といったことを全メンバーがCS-Cメンバーとしての義務としてとらえ、実践することだと思う。このようなことを全メンバーに浸透していることが重要であり、そのような組織文化でありたい。
ただし、多くの人が集まったからといって天才以上のことができるわけではない。集まるメンバー1人1人がそれ相応の力を持ったメンバーでなければならない。さらに、進歩の止まったメンバーたちであれば新しい価値を創造することは困難だ。
プロフェッショナルと呼ばれるぐらいの力があり、しかも常に進歩し続けようという意欲を持ったメンバーの集合でなければ集合天才にはなれない。それゆえ、僕らは「不断の努力」と「高いプロ意識」が求められる。
また、集合天才を考えるうえで、成功事例がフォーカスされやすいが、ビジネスで大事なのは成功事例の分析よりも失敗要因の分析にある。世の中に成功するための絶対的な法則なんてない。
これをやったら成功する、というのはほとんどない。
ただし、これをやったら失敗する、というのはある。
こういうことをするとうまくいかない、ああいうことをするとうまくいかない、ということはある。失敗要因の分析はとても重要だと思う。なぜかというと成功要因というのは偶然の成功というのがあるから。例えば、たまたまお客さんが良かった、たまたまタイミングが良かった・・・などの場合もある。
ところが、失敗というのは殆どの場合類型化ができる。
こういう伝え方をするとクライアントは動かない、こういう対策をすると成果が出ない、
というのはある。
これは一人一人にとってもそうだし、組織にとってもそう。失敗を恐れる組織というのは、または失敗をしたことをみんなにオープンに出来ない組織というのは、みんながかっこつけて、かっこ悪いことがかっこ悪いと思われている組織というのは一人一人の中に失敗事例というのが隠されてしまう。
メンバーが失敗した理由を言わなくなると、いつまでたっても成功できない。集合天才という考え方で大事なのは全員で自分の失敗事例というのを共有して、全員でかっこ悪い姿が見せられるかどうか。
徹底的に失敗を恐れずに失敗する。
ただその失敗をより少なくしていくためにはどうしたらいいか、ということをオープンにできるかどうか。同じ失敗を二度と繰り返させないためにどうすればいいか、ということを前向きに、明るく、楽しく議論できるかどうか。
また、自分でそういう体験をして、その自分の体験で新人社員に語れるようになってほしい。社員自身のそういう話というのは新人をとても安心させると思う。
「いや僕も偉そうに言ってますけども、最初入っていたときなんかは、しょっぱなにこんな目にあいましたよ」と。
「○○が○○だったんです。で、全然出来なかったんです」
「ただそういうときにああいうことやって、こういうことやって、最後は○○できるようになったんです。だから○○さんもできますよ。」
という話以上に説得力のある話はない。だからそういう意味合いで、まわりに思いっきり自分のかっこ悪い姿を見せる。どん底までかっこ悪い姿というのはかっこいいことなんだ!ということを、みんなに見せていく。
それも集合天才のあるべき姿の1つだと思う。
【1人でも最強、チームなら無敵】
プロとはクライアントが実現しようとしている状態、ニーズに対して、自分が期待されている水準を少しでも超えるべく日々精進すること。自身の知識、見識、スキルを高めると共に、起きた問題を他責にせず、制約条件は解除の対象として「どうやったらできるのか?」を思考のスタートラインにすること。
そういったメンバーは最強だと思う。
また、1人でできないことをするために組織があることは前述した。お互いがプロである前提で相互関与しあう。互いの成長に関与しあう風土こそがチームのレベルを上げる土台となり、結果として無敵のチームになれる。
「ジョハリの窓」というコミュニケーションモデルがある。
※1955年にサンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (Joseph Luft) とハリー・インガム (Harry Ingham) が発表した「対人関係における気づきのグラフモデル」
自己への気づきを増やすには、自分自身では気づいていないが他人には見えている部分についてどんどん指摘してもらい、他人の言葉に素直に耳を傾けること。
それにより自己理解が深まる。より自分の現状を的確に把握するためには他人のアドバイスに積極的に耳を傾けるようにする。
つまり、自らの成長に取り組むと共に、それに向けて積極的に周囲の人たちのアドバイスを頂ける状態を心がけることによって、自己革新、他者革新が実現する。
ゆえにできていない自分も全て公開することが重要となる。
それは成長するためにはとても必要なことだから。
メンバーが成長するためには、まわりのメンバーがメンバーの成長を心から願い、勇気と思いやりをもって成長に向けてのアドバイスをする。
それが最強のチームを創り出すための最強の組織風土になる。また、ここで他人のアドバイスを受け入れられるかの「素直さ」が自身に問われていることも記しておく。
また、個と組織の方向性が合っている必要もある。
そのためにはメンバーは組織の方向性を理解する必要があり、
さらには組織が考える方向性と自身のすり合わせが必要となる。
どうすればいいのか?
それは、CS-Cのミッション、ビジョン、戦略を知る一方で、自分のなりたい姿を明確にすること。具体的には自分のミッションステートメント、ライフプランを作成し、CS-Cとのすり合わせをすることで方向性を明確にする。個と組織のミッションをすり合わせる活動がとても重要だと思う。
また、組織の目標に対して誠実でいることも重要であり、組織の目標と自分の役割に納得がいかない場合は納得いくまで上司とすり合わせるべき。
直属の上司と話しても納得がいかない場合はその上の上司に相談し、それでも納得がいかない場合はその上の上司へいく。
一方でひとたびその目標に合意した場合、目標達成に責任を持ち、それに向けて邁進する。個がプロであり、プロ同士が相互関与し、個と組織の方向性が合うことにより加速度的な力学が作用する。
これこそが「1人でも最強、チームなら無敵」ということ。
【素直な心で、謙虚に誠実に】
伸びる人間とそうでない人間の決定的な違いはここだと思われる。
例えば、Aさんは地位、経験、スキルを十分備えている。BさんもAさんと見劣りしないほどの地位、経験、スキルを備えている。ある日新人のC君が、日々の努力のかいがあってクライアントの指数が改善していることが分かった。ぱっとみた感じだと、その対策にはC君なりの工夫があるように見受けられる。
成果創出までのプロセスを勉強するために、大きく年が離れているC君に対して自ら教えを求めにいくAさんと、自分の経験則からC君の活動プロセスを推測し、それほど自分には気づきがないだろう、と解釈してしまうBさんとでは、どちらが伸びるかは言うまでもない。
「それは自分はできている」「既にわかっている」と情報をシャットアウトしてないだろうか?その時点で成長はとまってしまう。
「素直さ」とは何物にもとらわれることなく、物事の真実をみる力でもある。
素直な人というのは人の意見をよく聞く。だから素直な心になれば物事の実相に従って、何が正しいのか、何をなすべきなのか、ということを正しく把握できるようになる。
「今日の自分は素直だったか」を常に自問自答し、
日々を謙虚に誠実に過ごす組織でいよう。